客間に布団の一組準備してから、茶の間でやつが風呂を上がるのを待つ。
しばらく待つとと風呂から上がってきた。
着替えは持っているということだったが、美形がジャージというのもなんとも似合わないというかこんなもの着てても美形は美形なんだなというか、そんな感じだった。
「じゃあ、寝る部屋に案内するが。」
「わかりました。」
そのまま客間に案内する。
「あの、布団が一組しか無いようですが?
これはまた積極的……いえ、あなたはどこで寝るんですか?」
積極的ってなんだ?
何か不穏な空気を感じるが、俺の勘違いであってくれ。
「俺は自室で寝る。」
「ですが、それでは寂しいではないですか?」
なぜか俺の肩に手を乗せ意味不明な説得を試みてくる。
何がしたいんだ?
「とにかく、あんたはここで寝ろ、俺は風呂に入ってくる。」
「お前ではなく佐々木 正孝です。」
「わかった。とにかく佐々木、俺は風呂に入って自分の部屋で寝るから。
また明日な。」
「……わかりました。」
それでは今日はこれで我慢します。といいながら佐々木がチュッと俺の唇にやつの唇を合わせてきた。
なんだ?何がおきた。
ふざけんな。
「な、な!!」
「おやすみなさい。」
おやすみじゃないだろ。
なんで、俺にキ、キスなんてするんだ。
もしかして佐々木は帰国子女とかか?
それにしては日本語普通に話しているし。
「どうしましたか?足りませんでしたか?」
足りている。というよりそんなことはしなくていい。
とにかくここから逃げないと身が危ない。
どたどたとわざとらしく足音をならして風呂へ向かった。
何で自分の家でこそこそ逃げるような真似をしないといけないないんだ。
畜生、明日朝一で追い出す、絶対に。