一総とセックスした後の落差に理一は未だになれなかった。
終わった後睦言を楽しむ様な関係では無い。
だからといって普通の友達付き合いのように馬鹿みたいな話をしたり一緒にゲームをしたりする様な間柄でもない。
行為が終わるとシャワーを借りてそれでそのまま自分の部屋に戻ることがほとんどだった。
別に恋人では無いのだからそんなもんだろうと思っていた。
朝食をと言われることは多かったが所謂社交辞令なんだろう。
今日も中をぐちゃぐちゃにかき回されて、めちゃくちゃに喘いで、やっと解放されたのでシャワーを浴びようと起き上がると腰が抜けたみたいになっていて起き上がれなかった。
そんなに体を酷使した自覚は無かった。
「大丈夫か？」
そう言いながら一総は理一の髪の毛を撫でた。
見た目より柔らかな毛を撫でられると、理一は目を細めた。
「あの……。」
唇も舌も重い。
「ああ、眠いんだろう。シャワーは明日にしろ。」
ウェットティッシュだろうか、濡れたもので体を清めながら一総は言った。
「恋人みたいに一緒に寝るのは嫌です…よ……。」
「分かってる、腕枕なんぞしないよ。」
困ったように一総は笑う。
「俺がこっち向いて、木戸がこっちを向けばいいだろう。」
一総が言った通り、ベッドで背中合わせに眠った。
背中に感じる熱がじわじわと伝染してきて言葉形容しがたい感情が理一の中に湧き上がった気がした。
了