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手を掴まれて指を口に含まれる。
理一の手には、先程出したばかりの残渣がこびりついている。

「なに舐めてるんすか!」

思わず叫ぶと一総はニヤリと笑ったが、それだけだった。
そのまま、ねぶるように理一の指に舌を這わせる。

ゾクリとしたものが指からせり上がってくる様だ。理一は思わず身震いをした。

一総は今度は吐息だけで笑った。
それからもう一度理一をベッドに押し倒した。

後孔をほぐされているときの、快楽ともどかしさは多分一生なれることはないだろう。理一は目尻に涙を浮かべながらそんな事を考えた。

グチャグチャという音が自分からしていることも、羞恥心をあおる。
そんな事全てお見通しなのであろう、一総は理一の腰骨をがっちり固定して逃げさせない。

ようやく挿入という時には息も絶え絶えで「もういい加減にしてください。」と思わず言い放ってしまった。

『声をおさえるな。』

抽送を繰り返しながら一総は言う。
理一の口を覆っていた自らの腕がゆっくりと離れる。

「あっ、あああっ――」

理一は強か喘ぐと、涙で潤んだ視界の先で満足気に笑う一総が見えた気がした。

「腕はこっちだな。」

そう言って、一総は自分の背中に理一の腕を回した。
それから最奥まで怒張を沈めた。

思わず爪を立てた理一に顔色一つ変えること無く一総は再び腰を動かす。

「俺のことは気にするな、ちゃんと異能で防御出来てるから。」

一総は理一の唇を奪う。至近距離で見た一総の瞳にはもう怒りの感情は全く見て取れず、それでようやく理一は一総に全てをゆだねることができた。

「案外、連続使用しても体に負荷はかからないものだな。」

大体どの位の反動が来るかは分かった。
それの逃し方も分かったから、まあ何とかなりそうだと一総は笑った。

理一は何も言わなかったが、一総の言っていることが常人離れしている事だけは分かっていた。そもそも、命令をしたといっても、正直些末なことの様に思えたが、どうやらそうでは無かったらしい。
命令をする事に戸惑いも反動もなれければそれでいい。

もしもの時も、同じ様にと思ってしまうのは我儘だろうか。

身勝手だという事は分かっていた。
馬鹿みたいに甘えている自覚もあるし、恐らく一総もその甘えに気が付いているのだろうという気もした。

けれど、それについて上手く言葉にはできず、理一はそのまま瞳を閉じた。

お題:契約してからのエッチ

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