既に3本に増えていた指を一総は引き抜いて、既に天を向くほどに固くなった物を理一にあてがった。
いつ、装着したのかという位だったが、避妊具はきちんとしている様だった。
一気に貫かれ、理一は視界が白く点滅した。
体を揺さぶられて、組み敷かれて。
理一がそんな事がされたかったのかといえば、答えはNOだ。
だが、確かに理一の体は快感に震えていた。
一総に抱き込まれる様に後ろから抱きしめられているのは彼にとって、とても心地が良かった。
肩甲骨にそっと落とされるキスも、うなじに吹きかけられる吐息も何もかもが官能的でたまらなかったのだ。
耐えがたい快感に、理一はめちゃくちゃにシーツを掴む。
ふっ、と後ろで笑う気配がした。
一段と深く腰を打ちつけると、耳を食まれる。
理一が感極まった様に、一際高い声を理一が上げるとビクビクと数回体を痙攣させる様に震えさせた。
そのまま上半身がドサリとベッドに沈み込む。
ゼイゼイと荒い息を上げる理一の脇腹を一総が撫であげる。
イッたばかりの理一にはそれも過ぎる快感として認識するようで陸に上げられた魚の様にはねた。
と、一総は自身を軽く引き抜くとそのままパンパンと音がする位打ちつける。
「ちょ、待って、あっ、あっ、あ゛ー。今いったところだ、ふぁぁあ――。」
最後の方は言葉にならないようでひたすら喘がされる。
ぐりぐりと円を描くように腰を回したかと思うと、高速で打ちつける。
いいところを強かにえぐられてあられもない声を理一は上げ続けるしか無かった。
声がかすれて、全く意味をなさなくなった頃、ようやく一総は達した。
その衝撃に理一も白濁をたらす。
今度こそ、ズルリと粘着質な音を立てながら一総が理一の中から出た。
そのこすれる感覚にも理一は密やかな喘ぎ声を洩らした。
抜けた瞬間腰も立てて居られなくなったらしくそのままベッド倒れ込む。
理一は何時もより虚ろな目で顔だけ振り向いて一総を見た。
壮絶な色気だった。
吐精後の気だるげな表情は完全に雄のそれだった。
一総は理一が自分の事を見つめている事に気がついて、双眸を緩めた。
「後始末はやっとくから。眠いなら寝てしまえ。
……疲れてるんだろ?」
理一の髪の毛をくしゃくしゃとかき混ぜるように撫でながら言った。
睦言というには、甘い雰囲気が足りないのかも知れない。
それが少しだけ寂しい様な気持に何故かなった理一はそっと一総の腕に唇を寄せた。
一総はチクリとした小さな痛みを感じた。
直ぐに理一は唇を離したが、そこには小さな所有印が刻まれていた。
満足したように理一は笑うと、そのまま、失神するかのように眠りに落ちた。
その表情には一総の部屋を訪ねた時の様な悲壮感は残っていなかったが、いかんせん実家での出来事が存外理一の体に負担になっていたのであろう。
その後、笑みを浮かべながら溜息をついた一総が後始末をしている間もピクリとする事さえ無かった。