愛の言葉1

※2013.11~2013.12の拍手で掲載しました。
※某動画の歌い手ネタです。
管理人、ぶっちゃけあまり、歌い手に詳しくありません。おかしいところあるかも知れません。
また、動画サイト名等意図的にもじっています。わざとです。

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元々、歌を歌うことは好きだった。
俺、立野 樹(たての いつき)は大学入学を機に一人暮らしを始めたのをいいことに、某動画投稿サイト「ニヤニヤ動画」に歌ってみた動画を投稿している。

大学へ入ったものの、合コンだのなんだのは俺がゲイなので、まったく楽しめないため、やんわりと断っている。
サークルも考えたが、泊りがけのスキー旅行とか、ゲイの俺には色々きつすぎた。
まあ、見た目は完全にフツメンの俺に何かあるとは思えないけど……。

持て余した暇を、現在では動画作成につぎ込んでいる状態だ。
幸いにも、それなりに閲覧してくれる人、コメントを残してくれる人もいて、俺の生きがいになっている。
歌い手名は「V(ヴィー)」最初完全に匿名でアップしていたんだけど、Vの発音がヴィーっぽいということでヴィーと呼ばれるようになり、それをそのまま使っている。

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その人の動画と出会ったのは、まだ、動画を投稿し始めたころだった。
ランキング上位にいたその曲は、ボカロのプロデューサーでもあるその人が作った曲に合わせて歌ってみたものだった。
「エロボイス」「男でも孕む」等のタグが貼られているその人の作品を聞いた時、俺の世界が変わった。
いや、大げさではなく、本当に物凄い衝撃だった。
曲も、物凄くかっこ良くて、そのままアニメの主題歌とかにしても全く違和感ないレベルだと思ったけど、とにかくその人、ミヤさんの声が物凄かった。
ヘッドホンで聞いたいたんだけど、その声を自分の脳が認識した瞬間、鳥肌が立った。
全身がざわつくというのはこういうことかと思った。
エロボイスのタグは伊達じゃなかった。
じわじわと全身が熱くなるのを感じた。
正に、その人の声に惚れた状態の俺は、ミヤさんの動画の再生を日課にしたり、生放送は欠かさず聞いたりしていた。
生放送での歌っていないミヤさんもかっこ良かった。
地声もエロいって何それ犯罪の域じゃん。
顔見せを一切しないミヤさんは自分の事、フツメンだと言っているが、それでも彼の人気はすさまじかった。
俺も少しでも、彼に近づきたいと、動画投稿を頑張った。彼の目に触れることはないだろうと思ったが、彼が歌ってみた動画のアンサーソングと言われている歌を必死に練習してアップしてみたりもした。
同じニヤニヤ動画で、活動できているということが物凄いうれしかった。

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そのメールを見た時、驚きで頭が真っ白になった。
ミヤさんから、俺にメールが来たのだ。
絵師さんとの連絡用等で使うように公開していたメルアドにミヤさんからメールが来ていた。
Fromに入っていたメールアドレスは、ミヤさんが近況報告ように公開しているブログに書かれているものだった。
内容を確認すると、是非コラボしませんか?というものだった。
自分の目を疑った。悪戯ではないか?と一晩悩んだが、もしかしてと言う希望的観測があったため、確認と、本人であれば勿論OKです。というメールを翌日出した。

で、現在、スカイプを使ってミヤさんと打ち合わせ中だ。

「そんな、緊張しないで。」

いや、そんなこと言われても、無理です。
神とまで思った人と話しているのに、緊張しないとか無理です。

「名前も、みやたん呼びでいいし。」

ミヤさんは、ファンの間でみやたんと呼ばれているが、とてもご本人様の前でみやたん呼びは出来ない。

「あの、みゃーさんじゃ…。」

みゃ!!こんな大事な時に俺の発音は……。

「すみません!!」
「いや、大丈夫……。というかむしろ、みゃー呼びで。トークもそれでいこうか。」

曲の前に少し、トークを入れようということに決まっていたけど、そんなんでいいんでしょうか?
失礼にならないだろうか?ぐるぐる悩んでいるうちに、ミヤさんはどんどんトーク(というかコント?小話?的な感じだ。)の台本を決めていく。
トーク部分は、音声通話機能を使って実際二人で掛け合いをしながら録音して、歌部分はそれぞれ録音したものを、ミヤさんがミキシングしてくれることになった。

死ぬ気で、曲を練習して、録音したものを送った。
トークは、NGを出しまくってしまったが、ミヤさんはとても優しくて最後まで付き合ってくれた。

アップした、曲についた「猫かわいがり」「ペットと飼い主」タグをみながら、本当にミヤさん、俺のこと飼ってくれないかなあ、と思ってしまうのはもう末期だろうか。