島田拓斗視点
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放課後告白された。
どうせまた、双子の兄である優斗の代わりということだろう。
時々あるのだ。顔の似た双子の兄弟への告白を俺に対してすることが。
こういうことにも慣れた。
最初のうちは俺なんかにという気持ちで、優しく断ったり、友達でと言ってみたりしていた。
大体は時間がたつと徐々によそよそしくなっていくのだ。
それならまだいいのかもしれない。
俺に告白したその次の瞬間に豹変したこともあった。
基本的に言われることは一つだ。
優斗と同じ顔だから告白したのに期待はずれ。
最初はもちろんショックだった。
だが、それも徐々に麻痺していって、今ではもう正直うんざりだ。
図書委員で一緒だった松木は少しは話したこともあったし、そんなんじゃないと思っていた。
結局は他のやつらと同じということか。
わざわざ自己紹介までしていたのだ。
今まで俺を俺として認識していたかも怪しい。
優斗、優斗、優斗みな口をそろえて同じ顔の兄のことばかり言う。
俺はあいつとは違う人間なんだ。
比べないで欲しい。
そりゃあ優斗みたいに明るく社交的に出来たらどんな良かっただろうと思う。
でも、無理なんだ。
高校生になった今では髪型、服装も全然違うし、昔みたいに見間違えられるということもないはずだ。
なのに何故？
何故、俺を代わりにしようとするんだ。
楽しい恋愛がしたいのなら、素直に優斗を選ぶべきなんてこと誰の目にも明らかだろう。
なのに、松木は俺に告白してきた。
ありえないだろう、そんなこと。
だから、思っていたことをそのまま口にした。
そのとき松木がどんな顔をしていたのか、松木までというショックでそのままその場を離れてしまった俺は知らない。