それでも一緒にいたい3

「熱いから気をつけて飲めな。」

そういって楓はマグカップを僕に渡してきた。
一口飲むじんわりとお茶の温かさが体に広がった。

「言えるようなら、何があったかはなしてみ?」

楓がやさしく問いかける。

「……。」

やっぱりどうしても話せそうにないけど、楓の優しさに涙が止まらない。
30分位だろうか僕が泣いている間、楓ずっと隣にいて背中をさすっていてくれた。
その間も島田先輩のいっていた「ありえない」の一言が頭の中をぐるぐる回っていた。

「……ぼく、変わりたい。」

「へ!?
変わりたいってどういうこと?」

楓は素っ頓狂な声を出して聞きなおしてきた。

「全然違う自分になりた…ぃ。」

手をぎゅっと握り締めながら答える。

楓、変に思ったかなあ。

「う~ん。
人って一朝一夕に変わるのって中々難しいと思うよ。
いや、でもツバサにしてはいい傾向なんじゃないの?
何でそう思ったかはわからないけど。」

といいながら楓はうんうん唸って何かを考えている。

いい傾向なのかな?
原因は失恋だけど。

「そうだ!
とりあえず、見た目の印象だけでも変えてみたら?
見た目が変わると気分も変わるって言うし。」
「で、でも、見た目って言ってもどういう風に変えたら良いかもわからないし。」

僕が困っていると

「そこは腐男子である俺におまかせあれ!
完璧な総受け主人公に仕立ててやるぜ。」

ウィンク付で言われたが、腐男子って関係あるの??
総受け主人公って何!?

「まあ、任せなさいって!!」

不安な気持ちでいっぱいになる僕はおかしいのだろうか……。