同居しますか4

「そっちのほうが年上なんだから敬語とかわざわざ使わなくてもいいっすよ。」
「あー。僕いつでもいつでもこの喋り方なので、他の口調が出来ないんですよ。
わざわざお気遣いありがとうございます。」

女の喜びそうな笑顔を浮かべている。
いや、どう考えても服装と口調が合っていないだろう。
ベルトから鎖とか下がってますよね。

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「ついだぞ、ここだ。」
「あの、もしかしてご家族とご一緒ですか?ご連絡もなく僕を連れてきてしまってかまわないのでしょうか?」
「ああ、一軒家だからか、一人暮らしだから心配はいらない。」
「そうでしたか、それならいいんですが。」

失敗したか、同居だから帰れと言えばよかった気がする。
仕方が無い、不本意だがうちに上げざるを得ないだろう。

玄関の鍵を開けて二人で中に入る。

「これはこれは、中々趣のある。」
「古いって正直に言えば良いだろう。」
「いえいえ、そんなことは無いですよ。」
「……茶の間はそこだ。俺は風呂を入れてくるから、先に行ってろ。」
「わかりました。」

だからそういう顔は女の前でやればいいだろう、と無駄に整った顔を見ながら思った。