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それから1カ月に1回程、俺はグレンさんの家に遊びに行っていた。
彼の家は本当に街のはずれ、周りに何も無いところに建っていた。

男だと言うだけでなく伴侶の居ない事実にこれから好奇の目にさらされるであろう親子の事を考えるともっと便利なところにとは言いだせなかった。

副長も時々様子を見に来ている事は聞いていた。

腹の子の父親じゃ無くても、グレンさんを慈しんで共に歩んでくれる人が居るんじゃないかと遣る瀬無い気持ちになった。

「その子の父親の事を恨んでは居ないんですか?」

彼の家で出された紅茶を飲みながら俺は聞いた。

「もしかして、子どもが出来たって言ったら相手に逃げられたとでも思っているのか?」

グレンさんは豪快に笑った。

「そもそも、アレは俺が身ごもった事を知らないよ。」

味のしなくなった紅茶を飲み込む。

「言わないんですか?」
「言うつもりは無いな。」

グレンさんは遠くを見つめる様な仕草をした。
それに既視感を覚えるが一体どこで見たのかは思い出せなかった。

「父親になってくれる人を探す気は?」
「は?ねーよ。んなもん。
それともスコットが立候補してくれるのか?」

自分の名前を出され思わず慌てたが、これは明らかに冗談な事がお互いに分かっていた。俺が以前からずっと幼馴染みと付き合っている事をグレンさんは良く知っている。

「それで、貴方は幸せになれるんですか?」
「大丈夫だよ。今結構幸せだから。」

グレンさんは笑った。

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