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時間をさかのぼること数時間。

副会長である、足立 直人(あだち なおと)は絶句していた。
目の前に無残にもねじ切られている手すりを前に立ち尽くした。

そもそも生徒会室や、理科室等のある特別棟は対異能用の特殊素材で出来ていて、こんな風に手すりだけぐにゃりとなっていること自体通常考えられない。
しかも爆風があった様な風も無くその部分だけだ。

「一体、“ナニ”をするとこんな風になるんだ……。」

部下に指示を出しながら直人はポツリとつぶやいた。
一総の指示という事は間違いなく、この件は伏せられるであろう。
この器物破損をやらかした異能というより、もはや人外と言える人物が花島一総と関わりを持ってしまった事実に直人は深い深いため息をつくのであった。

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