どうやって寮の自室までもどってきたのか覚えがない。
気付いたら部屋のベッドの前だった。
涙が止まらない。
泣いて、泣いて、泣いて。
わーわー泣いた。
やっぱり僕が告白なんかしても迷惑なだけだった。
ぼさぼさの髪を筆頭に酷い見た目に暗い性格のやつに好かれてるなんて嫌に決まっている。
何で告白なんてしてしまったんだろう。
タイムマシーンがあったら昨日の僕に説教してやりたい気分だ。
当分立ち直れそうにないけどそろそろ一旦泣き止まないと同室者が夕食から帰ってくるだろう。
「ただいまー。
今日も食堂は萌がいっぱいだったよー。」
間の抜けた声で同室者が帰ってきた。
僕の同室者は本間 楓。
所謂、腐男子だ。
腐男子であるというところ以外は面倒見も良いしとてもいいやつだ。
こんな僕でも分け隔てなく接してくれるし。
「おかえりなさい。」
何とか平常を装って挨拶してみたけど、やっぱり駄目だったみたいだ。
「ツバサ泣いてた?」
「……!」
「どうした?
何かあったか?」
楓が優しく聞いてきた。
でも、こんなキモい僕が同性に告白して振られて泣いてるなんていえるわけがない。
やばい、また涙があふれてきた。
「とりあえずあったかいお茶でもいれるな。」
そういって楓は部屋に備え付けのミニキッチンへ向かった。