前戯もしていないのに、早く肌を合わせたくてたまらないなんてそんなことは初めてだった。
勿論理一は一総のことが好きだと自覚していたし、そういう欲求もあった。
実際に何度も一総の起立を受け入れていたし、思いも通じ合わせた。
けれどそういう感情とは全く別のドクドクしたものが胃のあたりから体中に広がっていく。
それが一総の血を舐めた所為だと、理一はもう気が付いている。
効きにくいと唾液を絡める度に言われていたのだ。さすがに気が付かない訳がない。
目の奥がチカチカとしていて、思考がもうおぼつかない。
ここに一総がいるのに、今すぐ触れてもらえなければ、自分自身で慰めてしまいそう
「さすがに、それなりに効いてるな。」
一総が何か言っている気がするが半分位しかわからない。
はあ、はあ、という自分自身の吐息だけが妙に響く。
「勿体ないってあとで怒られそうだな。」
まるで独り言の様に一総が言った次の瞬間、組み敷いた理一の制服をそのまま引きちぎった。
理一はそれでも、期待するような吐息をもらすだけだった。
「あっ、……。」
一総が乱暴に理一のスラックスとトランクスを脱がす。
そこは、もうまるで吐精したかのようにぐっしょりと濡れていて、トランクスとの間に体液が糸を引いている。
「そもそも、まだまともに意識を保ってる方がおかしいんだ。」
「ぅあっ……。いしき?」
一総の言葉を繰り返した理一に一総は努めて優しく微笑み返す。
それから、後孔に指を入れるとぐちゃぐちゃと乱暴に注挿した。
「あっ、あッ、あ゛ッ。」
感極まった声が室内に響く。
「……もう、そういうのいいからぁあ、ッんぅ。」
その声を漏らすまいとするように一総は理一に口付けをした。
それから固くなったものを取り出して理一に穿つ。
理一はのけぞって声にならない悲鳴のような喘ぎをあげた。