「体、大丈夫っすか?」
熱のこもった体で理一が聞く。
「大丈夫かって、木戸の方が……。ああ、命令の事か?大丈夫に決まってるだろ。」
その返事を聞いて、理一は少しだけほっとした。
それが事実かどうかは知らない。
けれど、一総のその言葉に甘えたいと思ったのだ。
その事実に愕然となれば、まだマシだったのかもしれない。
理一自身がその事実を受け止めてしまっている。そう感じた。
「アンタの部屋、滅茶苦茶で使い物にならないでしょ。俺の部屋きますか?」
変な言葉遣いにはならなかった。
「まあまず、この二人をしかるべきところに引き渡してある程度片付けてからでしょうけど。」
ようやく、状況が分かる。
それでもまだ体は疼く様に熱い。
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな。」
この状況に不釣り合いなほど軽い口調で一総は答えた。