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理一はいつもの様に朝起きると、横で眠っているあの人をそっと見つめる。
穏やかな朝だ。

ずっとこんな穏やかな日が続けばいいと思うし、ずっとこの人と一緒にいたいと思う。

この人がいなければ、もう生きていけないとすら思ってしまうのだ。
いつからそんな気持ちになったかは分からない。

兎に角、この人の事だけを考えていたいのだ。

優しい恋人にクラスメイト、みんな理一達を祝福してくれている。

――そんな筈がない。

低い声が頭の中で囁いた気がする。
意味が分からない。

理一は怖くなって思わず一総に抱き着いた。
するともぞもぞと一総は身じろぎをしてから目を開いた。

「理一おはよう。ん、どうした?」

まだ完全に目が覚めていないのだろう、ぼんやりとした表情と声のまま心配されて、なんでもないと胸に顔を押し付ける。

一総は優しい。いつでも理一を一番に考えてくれている。
この人さえいれば他の何もいらないと最近思ってしまうことが理一にはたまにあった。

その位目の前の男に依存している自覚はある。
だけど、全てを差し出したいと思って持ち掛けた契約も受け入れてもらったのだ。

この人なら全てを受け入れてくれると錯覚してしまってもおかしくない。

――本当に?

また、頭の中で声がした気がした。

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