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ついばむようにキスをした後、一総と理一は目が合う。

「それ、カラコンだろ?外してやろうか?」

一総に訊ねられるが、理一は首を振った。

「確か、御仁は感情が高ぶると力の強い順に黒、金、銀、青、緑に瞳の色が変わるんだったか?
お前は何色に変化するんだろうなあ。」

うっとりと言いながらニヤリと笑う一総に理一は眉をひそめる。
一総のその笑い顔は蠱惑的でありながらも、非常に野性味があり男らしい。
理一はゾクリと背中に何かが走るような感覚を味わう。

「セフレ程度に見せられるほど安いもんじゃないっすよ。」

理一は御仁の宗家の直系として生まれているが、学園ではクズ御仁と言われており、恐らく青か緑の瞳をもっているとされている。
それが見たいと言うことだろうと理一は判断したが、あいにくコレを見せるつもりはない。一総もそこまでのこだわりは無いようで「ふーん。」と言うとそのまま理一の首に唇を寄せた。

ちゅっとすったり舐めたり、噛んだり、首なんて性感帯になりえないと思っていた理一だが、ぞわぞわとするようなむず痒いような不思議な感覚が走る。
一総の手がうなじを撫でると、理一はビクリと震えた。

「ここ気持ちいいんだな。」

さわさわとうなじを撫でながら一総が言う。
理一の顔に朱が差す。

「これから、もっと恥ずかしい事しようってのに何今からそんななってるんだよ。」

一総が苦笑をもらす。

「仕方がねーだろ、童貞なめんなよ。」

一総は機嫌良さそうにニヤニヤ笑いながら「さておしゃべりの時間は終わりだな。」と言いながら、理一の胸の突起に手を這わせる。
一総の唇はうなじから鎖骨それから胸へと徐々に愛撫を繰り返していく。

理一はじわじわとせり上がってくる快感に歯を食いしばる。
一総は指先でコリコリとまるで感触を楽しむかのように乳首をすりつぶされる。
その絶妙な力加減に理一は翻弄されていた。
不意に一総の手の動きが止まる。
つめていた息をふうと理一が吐きだしたその時、一総は今まで手で触れていた場所を舐めた。

「ふぅ、んんっ。」

思わず漏れる甘えたような声に理一自身が驚いた。

何だこれは?
理一は一総の舌が触れた瞬間走った電撃のような快感に頭が付いていかない。
自分の体がどうにかなってしまったのではないかという恐怖にも似た感情が湧きあがる。揺れる目で、一総を見ると、彼はああ、と合点が言ったようで口を開く。

「ああ、俺の一族が夜伽を生業としている事は知ってるよな?家の一族はそれらに特化した異能なんだよ。体液には強い催淫効果があるんだよ。木戸には効き目が弱いみたいだがな。」

催淫効果だって!!聞いてねーよ。そう声を大にして言いたいと理一は思った。
これで効き目が弱いって普通どんだけひどい状態になるのであろう。政財界に深く浸透した一総の一族の力に背筋が寒くなる。

「まあ、お前の場合精液でも直接塗りたくらなきゃ大丈夫だろ。」

理一としては全く安心できないが、一総の中に何かボーダーラインのようなものがあるらしい。
任せるしかないのかと、肩の力を無理矢理抜く。

理一はそのままぴちゃぴちゃと音を立てる勢いで乳首を舐めたり、甘噛みしたりされた。一総は反対側の突起も指の腹で撫で上げる。

理一の口からは、こらえきれない吐息に交じって、小さくあえぎ声が漏れる。
自分自身の手で口を押さえてしまいたい衝動にかられるが、手枷が邪魔で何ともならない。
理一は自身が張りつめてきているのが分かる、ドブリと先走りが溢れる、下着を汚していって気持ち悪いのと、腰をついくねらせてしまう所為で、布とそれがこすりあわされて新たな刺激になってしまい、またそれが新たな快感を呼ぶという状態だ。

理一は絶え絶えの息で何とか口を開いた。

「もぅ、やばいから、下脱ぎたいんすけど…。」

一総は、いじくりまわしていた乳首を少し強めに噛んだ後、体を離す。

理一のベルトを緩めると、手なれた手つきで器用にスラックスとボクサーパンツを脱がせる。
ついでとばかりに、一総自身が着ているブレザーとシャツも脱ぎすてる。
一総の体は理一が想像していたよりも引き締まっており、何より雄の色香とでもいうのであろうか、匂い立つような色気を放っている。
理一は上半身裸になった一総の体を見て違和感を覚える。

「なあ、先輩に蝶の入れ墨は無いんですか?」
「蝶?なんだそれは。」
「……いや、俺の勘違いみたいっす。」

理一ははぐらかした。そうか、花島の人間の印と言う訳ではないのか、あの人だけが蝶を胸元に飛ばしていたのか、理一は結論付けた。

理一が別の事を考えていたのが気に入らないのか、それともただ単に事を進めようとしただけなのか、すでに涙を流してそそり立っているそこに一総が指を這わせる。
今まで自分以外に触られた事のないそこへの刺激に理一はいとも簡単にのぼりつめていく。
もう少しでイクと言うところで、ぐっと握られ、イクにイケなくさせられ、理一は目を見張る。
口をハクハクとせわしなく開け閉めしてわななかせ、何とか快感を逃そうとするが全く意味をなしていない。

「イキたいよな?」

ニヤリと笑いながら一総が言う。
理一はコクコクとうなずく。
一総は理一の耳元に顔を寄せ、言い聞かせるように何時もより低い腰に来るような声で言う。

「いいか?お前はイクんじゃないんだよ。俺にイカされるんだ。まるで雌のようにな。」

せきとめたまま、先端の部分をぐりぐりと円を描くように撫でまわしながら一総は言う。もう、出したいその事に頭が支配されつつある理一は快感でぐちゃぐちゃになった頭で

「イカされる……?」

と繰り返した。
もう何でもいいからイカせて欲しい。ゆらゆらと腰が前後にゆれている。
一総は良くできましたと言わんばかりに、せき止めていた手を緩め、上下にしごき上げた。
これには理一もひとたまりもなく、白濁を吐きだした。

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