欠ける2

「俺のこと壊したいなら壊していいよ。」

小鳥遊がきていた制服のシャツを引き寄せて耳元に口を寄せて囁く。

すると小鳥遊は軽々と俺のことを抱き上げると足早に共有スペースから小鳥遊の部屋へと向かう。
ベッドに乱暴に下ろされるとそのまま性急にのしかかられた。

キスはまるで噛みつくみたいで、全部を持っていかれそうになる。
だけど、されるだけなんて癪だから舌を絡めて応戦する。

それにしても小鳥遊のキスは上手い。
口の中を撫でられて舌を吸われて、思わずぽーっとしてしまう。

「エロい顔。」

小鳥遊に言われてはじめて我にかえる。

「そういう小鳥遊も、やらしい顔してる。」

見上げた男の顔はいつもより3割増しで、いやらしい。
小鳥遊の手が俺が着ていたTシャツをたくし上げる。
協力する形でTシャツを抜き捨てると小鳥遊の指が俺の首筋を撫でる。

それから顔を埋めて、あっと思ったら鋭い痛みが首筋に走る。
小鳥遊が首筋に噛みついているということに気が付いた時にはもう彼の口は離れていた。
多分だけど、くっきりと歯型が付いてる。
俺の首筋を見て小鳥遊は満足な笑みを浮かべた。
まるで確認するように今噛みついた場所を丁寧に舐められる。

ぞくぞくとした快感のようなものが下腹から湧き上がってくる。

キスやセックスってもっとずっとお手軽なものだった筈だ。
だから、小鳥遊とするのは怖かった。

だけど、今はそれよりも何よりもじわじわと湧き上がる快感と好きな人に触られている喜びが大きくて小さな不安は見ないことにした。

「後ろ、ほぐすから。」

そう言って小鳥遊は俺をひっくり返して尻を上げさせた。
恥ずかしい。
この恰好めちゃくちゃ恥ずかしい。

ぬるりと冷たいものが臀部にかけられる。
ローションだということは分かっているけれど、その後突き入れられた指に全神経が持っていかれる。

正直違和感しかないし、クチュクチュとローションが音を立てていて居た堪れない。
後ろからだから見えないけれど小鳥遊の視線がどこに集中してるのかはわかって、恥ずかしくて思わず腰をくねらせる。

チッと舌うちの音が聞こえたと思ったら指を増やされる。
括約筋をほくすようにぐにぐにと中をうごめく指がいつも俺の頭を撫でてくれているものと同じだなんて信じられない。

じれったいような快感が広がってくる。
けれどもそれは決定的な強さはなく、逆にそれが自分の思考を蝕んでいくようだった。

もどかしくてもっと強い刺激が欲しくて、ただただくぐもった声を上げていた。

「あ…ッ…んっ。」

今までわざと避けていた前立腺を突然挟み込むようにしてもまれて思わず甲高い声が漏れた。
これ、まずい。おかしくなる。

枕に顔を埋めて酷い声を押し殺す。
でも、すぐに小鳥遊に気が疲れてしまって体をひっくり返される。

すでに中心はぎちぎちに勃ち上がっていて涙まで流している。
そこに小鳥遊の視線が集中しているのが分かる。

「小鳥遊も脱げよ。」

もう、余裕なんか無かった。
のろのろと起き上がるとシャツのボタンをひとつづつ外して脱がせる。
その後にズボンのベルトをはずして制服も脱がせた。

ボクサーパンツは小鳥遊の起立の形に盛り上がっていて、俺の体で興奮してくれていたのかとほっとする。
先走りのシミができたボクサーを脱がせると、小鳥遊の分身が目に入る。

笠が張りだした起立は同じ男から見てもかっこいい。
そっと触れると亀頭部分を撫でる。

小鳥遊が息をつめたのが分かって気分がいい。
そのまま竿をこすり上げる。

いいかな?もういいよな。
座って胡坐をを崩したような体制の小鳥遊に抱き着くように、またがるようにする。
後ろを触るとローションを相当量垂らしたのだろう。ぐちゃぐちゃだった。

小鳥遊の起立をそっと支えて後ろをあてがうけれど上手くいかない。
くねくねとこすりつけるだけになってしまう。

小鳥遊がはあ、と息を吐く。
浅ましいと呆れさせてしまっただろうか。不安になって見上げた瞬間、俺の腰を抑えてズンと一気に怒張を沈めた。
所謂対面座位の形だ。

凄まじい圧迫感と、一つになったという多幸感。
いつの間にか俺ははらはらと涙を流していた。

体を拓かれて喜ぶなんて小鳥遊に恋する前には考えたこともなかったけれど、感極まって涙を流すくらい嬉しかった。
心配する必要なんてなかったのかもしれない。

俺の男としての矜持とかそういうものが、壊されても大丈夫だと唐突に思った。
小鳥遊に壊されて良かった。そんな風に思って涙でぐしゃぐしゃの顔で笑うと、痛い位に抱きしめられた。

「小鳥遊大好きだ。」

抱きしめ返すと、小鳥遊の汗のにおいがした。
グンと下から突き上げられる。

「俺も好きだよ。」

切羽詰まった顔で小鳥遊に返されて体ごと上下に揺さぶられる。
前立腺を狙ったようにつきたてられて、堪らず小鳥遊の背中に爪を立てた。

自分と小鳥遊の間に挟まった起立が小鳥遊の腹筋にこすれてたまらない。
無意識に腰がこすりつけるように動いてしまう。

それを見た小鳥遊がそのまま俺を押し倒して、猛烈に腰を打ち付ける。
それで頭がいっぱいになって、その上起立をしごかれて頭の中が真っ白にスパークした。

遅れて数秒、小鳥遊が中で弾けたのが分かった。
脱力してぐったりとのしかかってくる小鳥遊の肌が自分のそれと振れてフルリと震える。
「小鳥遊、キスしていいか?」

吐精した後のけだるい気持ちで聞くと啄む様にキスをされた。

「ふふっ……。」

思わず笑みを浮かべると中に入ったままだった小鳥遊が膨らんだのが分かった。

「え!?ちょっ…、今日はもう無理ぃ。」

言ったときにはもう遅くすでに小鳥遊の腰はゆるゆるとうごいていて、それがもたらす快楽にじわじわと俺の脳も浸食されていった。