拓斗先輩は僕の声を聞くとそっと僕の体を抱き上げて横にあるベッドへとおろした。
のしかかるようにして僕を見下ろす拓斗先輩の瞳には僕しか映っていなくて、ドキドキとした。
そっと頬を撫でられる。
拓斗先輩の手は気持ちがいい。
思わず頬ずりしてしまうと、そのまま拓斗先輩の頭が降りてきてキスをされた。
顔中にキスを落とされてくすぐったくて思わず笑いそうになって口を開けるとそこに噛みつくようにキスをされた。
入ってきた拓斗先輩の舌にどうしたらいいのか分からないながらもそっと自分の舌を差し出すと丁寧に舐められた。
舌を絡めとられて、くぐもった声が止まらない。
「んんっ、んっ…んふぅっ…。」
キスをしながら拓斗先輩は僕のシャツのボタンをどんどん脱がせていく。
けれども僕はそんなことにも気が付かない。
拓斗先輩が口を離した。
「ふぅんっ…。」
もの欲しそうな声が出てしまい、恥ずかしい。
先輩は嬉しそうに口角を少しだけあげてから本格的に僕の服を脱がす。
キスだけで腰が抜けたみたいになってしまった僕はされるがままだ。
でも、さすがにパンツに手がかかった時は恥ずかしくて思わず「あっ……。」と声をかけてしまった。
拓斗先輩と目が合ってしまって恥ずかしい。
これからもっと恥ずかしいことをするって頭では理解しているのに。
嫌がっているわけじゃないってことは拓斗先輩も分かってくれたみたいで、首筋それから胸を通って脇腹にキスを落としたりなめたり噛んだりしだした。
先輩に触られているってだけで、とても興奮してパンツがネチャリと濡れたのが分かる
声を出すのが嫌で両手で自分の口をふさいだ。
拓斗先輩はもう一度僕のパンツに手を伸ばしたけれど、中心はすでに膨らんでいることが目で見てわかるし、そもそも腰骨に当たる拓斗先輩のての感触に感じてしまって思わず腰をくねらせる。
「ツバサ、もしかして煽ってる?」
拓斗先輩の表情は今まで見たことがない顔をしていた。
ズクリと内側から疼くような錯覚がした。
煽ってない。だって、もう自分でも自分が分かんなくなっていた。
パンツも脱がされて裸になって、すでに少し硬くなっていたそこに触れられて思わず甘ったるい声が手の隙間から洩れた。
「声、聞かせて?」
そう言いながら拓斗先輩は口を塞いでいた僕の手を外した。
それから、僕の起立を掴むとこすられる。
「いゃぁあっ…あんっ。」
急激な快感に拓斗先輩の肩を押し返そうとするのに力が入らない。
先走りでクチュクチュと音がするのが恥ずかしい。
あっという間に追い立てられて、切羽詰って甲高い声がひっきりなしに出てしまう。
「いっちゃう。いっちゃうからぁ!」
手を離して欲しいのに拓斗先輩はより一層手の動きを早めてしまう。
目の前がスパークして白濁を吐き出す。
ぜいぜいと荒い息ををしていると、拓斗先輩はその奥に手を伸ばした。
後孔につぷりと指を入れられて、思わず歯を食いしばる。
誰にもどころか自分でも触ったことの無い箇所を触られているという事実だけでもう他の事は考えられなくなる。
すぐに二本に増えた指は広げるように何かを探すようにうねうねと動いている。
すると、ある一点を指がかすめた瞬間頭の中が真っ白になるような快感が走る。
「あっ、あー、あっ。」
声が抑えられずかすれたみたいな声が止まらない。
拓斗先輩はそこを集中的に押したり摘まむようにこねたりする。
気持ちいいしか考えられなくなって頭の中は拓斗先輩の手の動きで一杯になってしまう。
そこからは粘着質の音がぐちゃぐちゃと聞こえてきて、恥ずかしい。
恥ずかしいけれど、それも快感に変換されている感じでそのことしか考えられなくなりそうだった。
「たく、と先輩、やらっ、もう、あふっ…あぁんっ…。」
ゴクリと拓斗先輩が唾を飲み込む音が聞こえた気がした。
「入れるから。」
指を引き抜いた拓斗先輩が言う。
履いていたズボンを脱ぎ捨てて取り出されたそれは思っていたよりも、大きくて少しだけ不安だったけれど、それよりも興奮が勝った。
多分後ろからの方が楽だからと言う拓斗先輩に顔を見てしたいと返すと何故かとても優しく微笑まれた。
僕にのしかかるようにした拓斗先輩の切っ先が少しずつ僕の中に入ってきた。
充分解してもらったので痛みはほとんどないけれど違和感がすさまじい。
でも、やっと拓斗先輩と繋がれたのが嬉しい。
ブワリと生理的なものなのかそれともうれし泣きなのか良く分からない涙が溢れる。
「拓斗先輩、拓斗せんぱい、好き。」
胸の奥から溢れた気持ちを言葉にすると拓斗先輩は僕の涙をぬぐった。
「俺もツバサのこと愛してるよ。」
ぎゅうっと抱きしめるとキスをされた。
僕も先輩に腕を回した。
ゆるゆると腰を動かされる。
さっき指で散々いじられた場所を拓斗先輩が突く。
目の前がチカチカするくらいの過ぎる快楽に回した腕に手に指に力が入る。
拓斗先輩の目も情欲に濡れているのが分かって嬉しかった。
確かに僕の体で拓斗先輩が快楽を得てくれていて、その事実が更に僕の快楽を呼ぶ。
もう、言葉にならない喘ぎ声しか出ないけど、満たされていた。
一番深いところで触れ合えてる。確かにそう感じられた。
「あふぅっ、やぁんっ。あんっ…うぁっ。」
段々限界に近づいているのが声でもわかる。
きっと先輩も気が付いている。
ラストスパートをかけるように拓斗先輩の動きが早まった。
「キスっ、たくと、せんぱっ、キスしてぇ。」
懇願するように言うと、キスをされる。
舌を絡めながら体中を拓斗先輩で一杯にされた。
もう、限界だった。
僕が起立を弾けさせると、ほぼ同時に中で拓斗先輩も達したらしく、じんわりとあついものが中いっぱいに広がった。
漸く、僕は拓斗先輩に触れられた。