島田先輩は静かに話し始めた。
兄である優斗先輩のように社交的になれず、コンプレックスを抱いていたこと。
自分が今まで付き合った人は皆、本当は優斗先輩目当てで、同じ顔だからということで島田先輩のほうにした。でも、つまらない、優斗先輩のほうがいいと言って皆さっていったこと。
僕が告白したときも、また優斗先輩の代わりかと思ったこと。
振ったあと、僕が優斗先輩と仲良くなって、ああやっぱりと思ったこと。
自暴自棄(??)になって僕の部屋にきたこと。
優斗先輩に殴られて、勘違いだとわかったこと。
話し終わった後、島田先輩は自嘲するように笑った。
「こんなつまんない話、今更聞かされてもこまるよな、ごめん。」
「そっそんなこと…。」
島田先輩の本音が聞けてうれしかった位だ。
「でも、松木に聞いてほしかったんだ。
本当に、今更、だけど
好きだ。」
「ふぇっ!?」
い、今、島田先輩何て言った!?聞き間違いじゃないよね、現実だよね。
―――好きだ
夢にまで見た言葉に、僕は顔に熱が集まるのを感じた。