涙がぼろぼろこぼれる。
「何で…?駄目です、こんなこと。」
胸の突起をいじくりまわす島田先輩に言う。
「えー?気持ちイイことしようよ。」
島田先輩が優斗先輩風に話しかけてくる。
何で優斗先輩のフリをしているんだろう。
「島田先輩……?」
どういう風に聞けばいいんだろう。
声を出してみたがわからなくなってしまった。
キスもこういうことをするのも初めてで思考が追いつかない。
胸をいじっていたのと反対の手が僕のベルトをはずして私服のジーパンのチャックを開けようとしてくる。
あわててその手をはずそうとつかむ。
「悪ふざけは…やめ…て…くだ…さい。」
途切れ途切れになってしまったが何とかいえた。
島田先輩は一瞬すごく苦しそうな顔をしたけどすぐに貼り付けたみたいな微笑を浮かべてキスをしてきた。
今日生まれて初めてキスをした。
なれるはずも無く、キスをされているということで頭がいっぱいになってしまう。
つい力が緩んでしまったところで島田先輩がズボンのチャックを開けて僕の中心にさわった。
「あっ…」
そんなとこ誰にもさわられたこと無いのに。
普通なら好きな人にさわられれば嬉しさで一杯になるのかも知れないけれども状況が状況だ。
恋人でも何でもない人に体を蹂躙されている状況に不安と悔しさのようなもので一杯になっていく。
でも、絶対に無いと思っていたことがおきて少しだけ、ほんの少しだけ嬉しいと思ってしまう僕は駄目な人間だろうか?