それでも一緒にいたい1

「僕、1年D組の松木 ツバサ(まつき つばさ)といいます。」
「……。」
「島田先輩、あ…、あの。

好きです!!!」

恥ずかしさと緊張でパニックになって正直うまく言えたかどうかもわからない。
初対面というわけでもない島田先輩に自己紹介をしてどうするんだと思ったけど、同じ委員会というだけの関係の僕のことなんて認識してくれているのかさえ怪しい。

でも、この気持ち島田先輩にどうしても伝えたかった。
別に恋人同士になれるとかいう甘い期待があるわけじゃない。
そもそも、僕と島田先輩はほとんど話した事もないんだから。

「……それで?
おまえは俺と付き合いたいわけ?」

島田先輩は眉間にしわを寄せながら聞いてきた。

「で、出来ることならそうなれば嬉しいですが、
ただ気持ちを伝えたかっただけなんです。」

汗をだらだらかきながら答えた。
たぶん顔は真っ赤になっていると思うけど、目元まである髪の毛でたぶん島田先輩からは見えないだろう。
長い髪の毛がこんなにありがたいと思ったことは無い。

「ありえねえだろ、俺とお前じゃ。」

頭が真っ白になった。

「用事はそれだけか?
もういいなら俺は行くぞ。」

そういって先輩は図書室を後にした。

僕なんかと島田先輩はつりあわないということだろうか。