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服を脱がされるのも、いつもよりゆっくりに感じた。
Yシャツを脱がされ、下着も取られる。
そっと、脇腹をなでられてゾクリとしたものがそこからじわじわと脳内にせり上がってくる。

一総の指先は汗だろうか、少し湿っていた。
その手が首筋を撫で、脇から脇腹へと降りてくる。

指が案外太いことに気が付く。
今まではそんな事を考える余裕など理一には無かった。

普通のセックスというのはこういうものだろうか、漠然と理一の頭に思い浮かぶ。
けれども、男同士で付き合ってもいないのに普通はおかしいかと、直ぐに考えを否定した。

理一が考え事をしているのに気が付いたのか、一総は不意に、理一の乳首を摘まむ。
思わず息がつまり、一総を睨み付けてしまった理一は悪戯が成功したように笑う一総と目が合う。

それが、少しだけ面白くて思わず吐息の様な笑い声が出た。

顔を見合わせてクスクスと笑いあう。
別に大したことは何もしていないのに、今までよりも一総が近くにいる気がした。

その笑い声も、一総が胸の突起を押し潰す様に触ると次第に嬌声に変わっていく。
吐息に混ざる、甘えた喘ぎ声にいたたまれなくなる。

いつもいつも、自分がこんな声を出していたことに理一は漸く気が付く。

何度も一総はこの声を聞いてきたのだろう。それでもなお、理一を欲している事実に恥ずかしさが募った。

慌てて、手の甲を口に当てて声を抑えようとした理一は、直ぐに一総に手を取られる。
そのまま両手を掬い取られてベッドに縫い付けられてしまう。

「何度もしてることだろ?手を噛んだら怪我するだろう。」
「どうせ怪我しても明日には治るし、それにっ、だって恥ずかしいし……。」

理一の語尾はどんどんと小さくなり、最後には一総の唇に飲み込まれた。
先程までのキスで痺れていた唇はうまく唾液を嚥下できずダラダラと口元から垂れていく。
上手く息つぎもできず、目には涙がたまった。

貪るように唇を合わせた後、垂れた唾液をなめとられた。

下肢がひたすら辛くて足をこすり合わせていた理一をみて、もう一度笑う。
声はまるで出ていない、吐息だけの笑いだったが、羞恥心が全身に回ったみたいになって理一は全身真っ赤だ。

膨らんだ部分を隠すように体をよじって横を向くと、そのまま尻をなでられた。
ビクンと大げさなくらい体が震えた。

それは、恐れというよりは期待だったように見えた。

「ローションかけるから。」

ベッドサイドから取り出したボトルから出した液体を一総は一度手に出し、それから理一の奥まった部分に塗り込んでいった。

ぬるぬるとした感触と少し生ぬるいローションに違和感を覚えたのは一瞬だった。
そのあとはただ、熱かった。

一総の指とかかる吐息が熱いと思った。

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