真っ直ぐに見つめる13

一緒に朝食をとった流れでそのまま一緒に登校をする。と言っても俺と小鳥遊は別のクラスだから昇降口まで一緒に行くだけなんだけど。

げた箱で靴を脱いで上履きに履き替えようとすると、上履きの上に手紙が置いてあるのに気が付く。
中を確認すると

『放課後16時30分に第二理科室で待っています。』

とだけ書かれていた。
ラブレターは時々もらうことはあるけど、それとは異質なその手紙に首をかしげる。
そもそも、差出人の名前すらない。
悪戯と言うことも一瞬よぎったが、もしこれが告白の類と言うことであれば、誠意をもった対応がしたい。
小鳥遊の事を好きな俺はもう、誰の気持ちにも答える事が出来ない。それであればせめてきちんとお断りする事が俺なりの誠意だ。
放課後指定通り理科室に行く事を決め手紙を鞄に入れる。

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放課後になり、第二理科室へ向かう。
第二理科室は普段授業を受けている教室のある本校舎から少し離れた特別棟にある。

これで、告白じゃなかったら、一人で一日ドギマギしていたということだ。
正直、告白じゃない方がいいような、そうでないような不思議な感じだ。

俺も、卒業式にでも小鳥遊に告白してみたいなあ。そんな風に思う。
同室というのはやっぱりネックで、告白して振られた後さすがに小鳥遊も気にするだろうから言うことはできない。自嘲するような笑みをもらしながら俺は歩いた。