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翌朝連れ立って登校した。
周りが驚いてこちらを見ているのが理一には分かった。

祝福なんてされるわけないし、好意的にみんなに見守られてなんて言うのはそれこそ学校全体を集団催眠にでもかけない限り無理だ。

「もう一度、幸せな世界を作ってみるか?」

一総が理一に聞く。

「いや、いいっす。今で充分幸せなので。」

本心だったのだが口から零れ落ちた瞬間、気恥ずかしくなって思わず視線をそらす。

昇降口で理一と一総は別々に教室にむかおうとした時声をかけられた。

それは白崎だった。特に生徒会の委員でもない白崎が何の用だろう。
理一は自分達二人のことで何か言われるのかと気持ちとして身構えてしまったけれど、話の内容は全く違っていた。

「妹が、二人に会いたいと言っていて。
それが要領を得ないんだ。
石の話と、それから先祖がどうしたこうしたって繰り返していて……。」

妹の話が変なのはたまにある。だけどここまでこだわるのは初めてで。
言葉を選んでいるように二人からは見えた。だから事情は全く分からないけれどもしかしたら木戸から石を譲渡された件なのかもしれない。それだと一総は全く関係ないのだけれど何か勘違いをしているだけなのかもしれない。

「それって、クッキー作ってくれたって喜んでた妹さん?」

理一が聞くと、白崎は頷く。

「それが、悪いんだけど、ここに来てるんだ。」

申し訳なさそうに白崎は言うが、自分達に彼女が会いに来る理由が全く思い浮かばなかった。

「おい、本当にこの二人でいいのか?」

少し後ろにいる少女にその時初めて気がついた。
明らかに異質に見えるその少女を理一は今まで認識できていなかった。

ふわり、ふわり。
不思議な歩き方をする少女だと理一は思った。

一総の舌打ちが聞こえる。普段そんな風な態度をとる事のない一総なので理一は少しばかり驚いた。

「知り合いか?」
「いや、初めましてだ。ただ、化物仲間だってことは確かだな。」

一総が、さすがに自分以外にもう一人知っているから分かると付け加えた。

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