「お兄さん、ココがいいと思いますよ。」
耳元で囁かれた声に思わず唾をごくりと飲み込む。
真っ黒の皮のベストとショートパンツというよりはホットパンツの様な短いボトムを着ているキャストの青年はニコリとほほ笑む。
彼が指さしているのは、ジッパーを完全に上げてないホットパンツからちらりと見える骨盤のでっぱりの少し下、所謂鼠径部との境目だ。
このボーイズセクキャバでは風変りなサービスがある。
渡されるのは低周波治療器。そのパッドをキャストにつける。
それからスイッチを入れてその反応を見ながら酒を飲むというものだ。
オプションで出力調整もできるし、貼る位置も調整できる。
乳首に貼る場合、敏感になったその部分を見ることができないのが残念なのだが、涙を滲ませながら感じる姿を見るのは滾るものがある。
ソフトセクキャバなこの店は、下半身を脱がせて直接触るなんてことがNGのためこんなサービスになっているらしい。
今日ついてくれたカナタは俺のお気に入りで、すこしMっ気があるらしく強めにするとヒンヒンと喘ぐ。
少し幼げな表情をする彼は、ともすると10代にも見えてしまう。
勿論お兄さんという呼び方は俺がお願いしている。
「どうしようかな。」
パッドを貼るためという口実で、ぴちぴちのホットパンツに手を差し込む。
カナタは今日も、ノーパンだった。そういう制服なのだろうと分かっていてもたまらない。
陰毛を軽くなでてやってから、股関節に触れる。
ビクリとカナタが震える。
「おっと。」
よろけてしまわないかと、空いていた左手でカナタの尻を支える。
勿論これも口実だ。
「この前ここに貼った時のカナタ、すごかったよなあ」
ホットパンツの上から穴をぐにぐにと押してやると「あっ……あふぅッ……。」と声を漏らすカナタにニヤリとする。
「今日は、ご希望通りここにしとこうか。」
ペニスの付け根にパッドを貼る。
本当は性器に貼ってしまいたいがオプションになるので今日は止めておく。
どうせならねだられてやりたい、みたいな部分ってやっぱりあるのでその辺の駆け引き含めてはまっているのだ。
そんな部分に無理やり貼るのだ。
当然性器に手が触れてしまう。
入念にこすりつけてパッドを貼るとカナタがが震える。
少し兆してしまっているそこから手を抜く。
「じゃあ、跨ろうか?」
「……ハイ。」
カナタがおずおずといった風にまたがる。
カチカチと低周波治療器の出力をOFFから上げていく。
喉の奥で悲鳴のような声がカナタから上がっている。
カナタの手が不安げにさまよった後俺の頭を抱き込む。
「んっ、やぁっ、あッ……。」
吐息に混じる喘ぎ声がダイレクトに伝わって鼓膜を響かせる。
今日の衣装はあまり胸元が空いていなくて残念だと思う。
下を見る様に視線をずらすと先ほどよりもはっきりとカナタが反応してるのが分かって気分がいい。
「スイッチを入れた感想は?カナタ。」
我ながら下種なことを聞くと思わなくもないが、カナタは顔を真っ赤にして「き、きもちいいです……。」と答える。
「へえ。それは俺も嬉しいな。
じゃあ、ドリンクお替りしちゃおうかな。」
「ありがとうございます。お兄さん。」
カナタは俺から降りると、ふらふらとテーブルに向ってグラスに氷を入れた。
ボトルを持って注ごうとした瞬間、低周波治療器のスイッチを一気に2段階上げた。
「ひっ、んん~っッ。」
必死にこらえるカナタを見ながら「ほら、早くしないと。」と急かす。
「ひゃいッ……」
上手く言葉が紡げなくなっているカナタはそれでも必死によろよろとこちらに作った水割りを渡す。
「じゃあ、もう一回跨ろうか。」
一口だけ口をつけた水割りをテーブルに置いてそう伝える。
うずくまるところまでいかないまでもやや背筋を丸くして快楽に耐えているカナタを見下ろしてそういうとカナタはよたよたと俺にまたがる。
「さて、上もさわってあげようか?」
俺がそう聞くと、カナタは快楽の滲んだ顔でコクリと頷いた。
その表情だけで、ああ来週もまた来ようと思ってしまう自分がいて思ったよりもセクキャバにはまっていることを自覚した。
了