※冒頭のみ
中途半端なところまでしか書いてません。
文章の練習がしたかったと思われる習作です。
ただ、自分が手ごろだったから。
そんな理由で一緒にいるものだと思っていた。
「なあ、お前ゲイだろ。」
初めて、彼と話した時の言葉は忘れない。
委員会で遅くなってしまった放課後、二人きりの教室でそう言われた。
俺は驚いて、クラスメイトだった東条の事をまじまじと見つめてしまった。
それがいけなかったのかもしれない。
なんじゃそりゃあと冗談にしてしまった方がいいのか、何訳わかんないことを言ってるんだと怒った方がいいのか分からない。
いまだに東条以外にゲイだろと言われたことは無い。
「ああ、やっぱり。」
東条は人の悪い笑みを浮かべる。
それに対して上手く返せるほど当時の俺はすれてはいなかった。
唇も指先も小刻みに震えているのが分かる。
「ああ、そうじゃない。
別に脅したいとかそういうんじゃない。」
東条は朗らかに笑った。
それから、俺もそうだからとものすごく軽い口調で言った。
◆
それから3年、俺と東条の関係は所謂セフレというやつだ。
多分近くにいる同性愛者ってやつがお互いしかいなかったからこそ続いている関係なのかもしれない。
それについて、自分から話をしたことも、東条から話をされたことも無い。
だから、東条がどんなつもりで俺と一緒にいるのかは知らない。
手ごろだったのだろうと思う。それはいい意味じゃなくて、単に他に選択肢が無かったという感覚での手ごろだ。
惰性というものに近いのかもしれない。
大学生になった今でも週末は大体、東条の一人暮らしのアパートで過ごしているのだ。
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