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寮の手続きは、あっけない位簡単に終わった。
もしかしたら、こうなる日が来るだろうと予測されていたのかもしれない。

だって、それくらい自分と王様は不釣り合いだった。

新しい部屋は一人部屋だった。
基本的に寮の部屋はパートナーごとに割り振られる。
パートナーのいなくなった自分に二人部屋をあてがっても仕方が無いという事だろう。
事実、入学と同時にほとんどの生徒がパートナーを決めて、解消率はそれほど高くない。

能力も高くなく、魔法使い同士のつながりがある家柄出身でもない。
しかも、王様のかつてのパートナーだ。
この先、パートナーが見つかる可能性は絶望的だろう。

でも、別にそれでよかった。
誰かともうあまり関わりたくなかった。
何もしたいこともないし、ただ毎日その日が終わればそれでよかった。

無気力に過ごしていても、噂話位は耳に入った。
王様と神子が恋仲になったらしい。

ペット扱いだった自分とはえらい違いだなと思う。

能力が高いものは、能力が高いものを選ぶのだ。
それが自明の理というやつなんだ。

歌を唄うことは無くなった。
時間が早くすぎることばかりを祈って暮らす。

王様の顔をなるべく見ない様にして過ごしているから、王様がいまどんな様子かは知らない。
きっと幸せに日々を送っているのだと思う。

だってハッピーエンドってそういうもんだろう?

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