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「うーん、王道では顔が隠れる髪型と眼鏡を取ると超絶美少年が!!っていうのが基本なんだけどなあ。」
「楓、松木に失礼だろ。
前より全然良いよ。
すごく似合ってる。」
あの後、楓の勧めで髪を切ったり、染めたり、眼鏡をやめてコンタクトにしたりした。
コンタクトをつけるのはいまだに何か怖くてなれない。
制服、私服の着こなしや通学かばんまで色々アドバイスをしてくれた。
前のぼさぼさの手入れしていない伸び気味の髪、眼鏡という格好だった僕だが、今は髪の毛も少し切って所謂アイドル風のミルクティブラウンの髪にコンタクトにしている。
鞄も中学の時から使っていたものをやめてなんか手提げみたいなやつだ。
携帯電話のストラップはがんばったごほうび(?)に楓がくれたやつをつけている。
本当に僕なんかに似合っているのかな?
「やっぱ恥ずかしいよ。」
朝教室で楓とクラスメイトの山田 正義君(僕は山田君と呼んでいる。)と話しているけど何か勘違い高校デビューみたいになってる気がする。
痛いやつだと周りから思われないかな?
「王道美少年は冗談として。
ツバサすげーかわいいし似合ってるよ。
さすが俺様って感じ。」
「自画自賛かよ。
でも楓さすがじゃん。
普通に松木人気でそうな感じだし。」
「腐男子としては当然のスキルですよ。」
「いや、腐男子関係ないだろう。」
「まあ、とにかく松木は自信持って大丈夫だから。
俺が保障する。」
山田君がエヘンとばかりに言う。
山田君は名前は平凡だがルックスはこの学園でも上のほうだと思う。
その山田君が言うんだから少しはましになったってことだろうか?
そうだと嬉しいな。