親交を深めてみますか2

「つ、疲れた……。」

授業が始まるまでのつかの間机に突っ伏して回復を図る。
朝からあの馬鹿の相手をしていた所為で未だ授業も始まっていないというのに疲労困憊だ。

「よう!!大丈夫かー?」

最初はあの変態の所為で、同性愛者と勘違いされていたらしく遠巻きに眺められているだけだったが、あの変態が、ただぶっ飛んでいるだけと分かったらしく、少ないが俺に話しかけてくれるやつもできた。
余談だが、別に同性愛者が駄目とかいけないという訳では断じてない。パブリックスペースで度を超えたイチャイチャだとかをするあの馬鹿のような奴が問題なだけだ。TPOは大切だ!!

まあ、とにかく俺に話しかけてくれる数少ない人物の一人それが今話しかけてきた葛西 友介 (かさい ゆうすけ)だ。

「へ、変態が……。」
「いいじゃん、佐々木先輩みたいな顔面偏差値の人と知り合いなら合コン開き放題だろう!!ポジティブシンキングでいこうや。」

さすがにキス云々の話はしてない(というか出来るわけがない)が、同居に至ったいきさつや馬鹿の馬鹿具合を話してあるので、葛西は面白そうにニヤニヤと俺を見ている。

「そもそも、あいつ本当にもてるのか?基本毎日8時前には帰ってきて必ず夕飯食べてるぞ?」

疑問を口にする。葛西以外からもあの馬鹿の話は耳に入ってきたのだが、おかしいのだ。
いや、性に関する感覚が常人と違っているという点に関しては概ね同意するところではある。

「は!?なに先輩毎日定時上がりなの?なにそれ、新婚みてえじゃん。マジでダーリンお帰りなさい。今帰ったよハニーとかってキャッキャラブラブしてるわけ?」
「それ以上言ったら、はったおすぞ。」

ギッと葛西を睨んだが、何故かぶっと笑われた。

「じゃあさ、今日の昼あたりカフェテリア行ってみようか?ダーリンの浮気現場に遭遇できるかもよ。」
「いい加減そのダーリンハニーネタから離れろよ。」

ダーリンって何だよ、ダーリンて。いつ俺とあの馬鹿がそんな関係になったんだよ。
ありえないだろうが!?だってあの変態だぞ?
無い無いと一人頷いていると、葛西が昼に校内のカフェテリアに行く事を勝手に決めていた。